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第1回

高校生の無垢な勇気が、未来の扉を叩く

杢野 純子さん(Team Imagine所属)株式会社トレイル 副代表、マネージングディレクター

収録日:2019.03.06

DLabに参加したのは、東工大のOB・OG会である蔵前工業会で講演をさせていただくうちに、「今度、DLabというプロジェクトが立ち上がるので参加しませんか?」とお誘いいただいたのがきっかけ。佐藤勲機構長からの「まだ何も決まっていない」との言葉がすっかり気に入りました。未来は「何も決まっていない」からこそ未来ですから。

東工大のユニークな先生方が集まり、外部からは私を含め異色の経歴のスペシャリストたちが顔を出していました。しかも女性が多い。私が学生の時の東工大の女性比率は2%でしたので、隔世の感があります。

私たちの最初のミッションは「何をやるべきか」「どんな未来を提示するのか」を決めること。2018年10月28日のキックオフイベントでは、10代から80代まで、若い学生さんと大学の教員や企業の役員が混ざり合い、お互い遠慮せず「未来はこうあってほしい」と自由に意見を述べました。とりわけ一番若い高校生たちが最初に手をあげて発言した、あの素直な力をDLabに取り込みたい。もっともっと学内の現役学生たちが参加しやすいように、大学構内でカジュアルにワークショップやイベントを開き、たまたま通りかかった学生たちが、「おや、面白そうだな」「ちょっと顔を出してみよう」「私も混ぜて」と参加したくなるような、ベンチャーが立ち上がるような雰囲気のあるプロジェクトにしたいですね。

若者たちが「楽しい!」と感じながら、何も決まっていない未来を自らの手で試行錯誤しながらつくっていくように誘う。そして彼らが、お祭りのようなムーブメントを起こして、周囲が巻き込まれていく。全部を決め込んで作っていくことだけではなく、若い人たちの勇気を少しだけ引き出すことも、重要な未来デザインではないか。マーケティングの立場から、クリエイターたちと仕事をしてきた経験からそんなことを思います。

プロフィール

1984年東京工業大学 理学部 情報科学科卒業。横河ヒューレット・パッカード株式会社(現 日本ヒューレット・パッカード株式会社)でシステムエンジニアとして勤務後、ワシントン大学(米国)でMBA(経営学修士)を取得。帰国後、アーサー・D・リトル・ジャパン株式会社でコンサルタントとして、主にハイテク、IT関連企業の経営戦略立案に従事。株式会社ポケモン、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社で新規事業立ち上げ、デジタルマーケティング、CRM(顧客管理システム)を担当。株式会社円谷プロダクションでマーケティングを担当。現在は株式会社トレイル 副代表、マネージングディレクターを務める。