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第9回

理工系と文系が融合する面白さ

鼎 信次郎さん(Team Create所属)東京工業大学 環境・社会理工学院 土木・環境工学系 教授

収録日:2019.05.15

鼎教授の主要な研究テーマは「水」です。なかでも私たちの生活に欠かせない淡水について、もともと専門であった「河川工学」の知見を生かし、現地調査と人工衛星からの情報をベースにした大規模シミュレーションを行っています。今世紀末までの自然と人間社会の両方の変化を考慮した「地球温暖化による世界の洪水リスク変化」に関する論文を発表するなど、日頃から未来社会に焦点をあてた研究を行っています。

私の研究分野では、未来について考えることが頻繁にあります。みなさんがご存知の通り、環境問題における最悪のシナリオでは、CO2や温室効果ガスが多く排出され、大雨洪水がひどくなったり、グリーンランドの氷が溶けるといった未来が予想されています。10年から15年後には、スマートフォンで、大雨や洪水、災害の情報がリアルタイムで分かるようになり、たとえば2週間はひどい雨が続くといったようなことが簡単に分かるようになると考えられます。なぜかと言えば、地球の周りには小型から大型まで多くの人工衛星が飛んでいて、そこから得られるデータがどんどん解析されているからです。

すでに天気予報では、日本に居ながらにしてロンドンの天気や雲の様子が分かるなど、世界各地のデータが得られます。ところが、河川が氾濫しそうだとか、農地がどれだけ湿っているかとか、地下水がどのように汲み上げられているかなどはまだ分かりません。しかしこれらも、データ解析の研究を進めることで、たとえば今年は大干ばつでオレンジの収穫は難しいといったようなことが予想できる時代が近づいています。

DLabでは、理工系だけでなく文系の先生たちも前面に出て来てくれているので、今後、たとえば宗教学の立場から引っ張っていってもらうとどんな話が出るのかなど、とても興味深いです。世間では東工大は理工系の大学だと思われていますが、トップクラスの文系の先生方がこれだけいて、DLabに携わっているというのは面白い融合だと思うんですよね。「あれ、理工系の大学だったんじゃないの」と言われるような成果を出せたらと期待しています。

プロフィール

1994年東京大学 工学部 土木工学科卒業、1996年東京大学 大学院工学系研究科 修士課程修了、1999年東京大学 大学院工学系研究科 博士後期課程修了、同年東京大学 生産技術研究所 助手、2003年東京大学 生産技術研究所 講師、同年東京大学 総合地球環境学研究所 助教授、2007年東京大学 生産技術研究所 准教授、2009年東京工業大学 大学院情報理工学研究科 情報環境学専攻 准教授、2013年東京工業大学 大学院理工学研究科 土木工学専攻 教授、2016年より現職